(一社)沖縄県測量建設コンサルタンツ協会員企業のお仕事の一部をご紹介します。
「測量」は、道路や建物など全ての設計・工事の最初に行われる行程です。
つまり、この「測量」が行われないと全ての案件は進まないということに。だからこそ正確に、素早く値を求めないといけない、最初の大事なお仕事なのです。
都心部の測量はもちろん、時には山や野原などでも測量を行います。測る場所によって測量方法も変わり、GPSを用いた最先端技術や「トータルステーション」と呼ばれる器械を使って測量を行っていきます。
私達の生活に必要な食料・衣類、更には人間も行き来する「道路」。上下水道やガス管、住宅はこの「道路」がつくられないとつくれないというほど、とても大事な物です。
「道路」をつくるということは、安全・安心、そして快適に生活するためには欠かせないことなのです。
沖縄県の水源のひとつであるダム。県内には20(建設中含む)のダムがあり、そこから取水された水が浄水場に運ばれ、家庭や工場などの各施設へ届けられます。
各家庭から下水管を通って集められた汚水は、下水処理場でいくつかの浄化槽を通ってきれいにされ、河川や海へ放流されます。
最近では、ある程度浄化した汚水を更に高度処理でよりきれいにし、大きな公共施設などのトイレ用水や防災用水として再利用する「再生水事業」も行われています。
昔から重要な事業であった、治水・利水を目的とした改修事業。しかし近年、環境問題が注目されるようになり、今まで治水のためにコンクリートでガッチリ固めていた河川が、自然環境を取り入れた多自然川づくりへと変わっていき、多様な生物が棲め、人々と河川が気軽に触れ合える環境へとなっています。
山が無く、ダムがつくれない一部の離島では、これまで水源を天水・地下水に頼るしかなく、慢性的な水不足に悩まされてきました。そこで導入されたのが、島の周りに広がる海(海水)から真水をつくる、「海水淡水化システム」です。
約660mの高さまで水を噴き上げる程の高圧をかけるポンプを使い、海水を特殊な膜に通して真水にしていくこの海水淡水化システムのおかげで、離島の水不足は解消されています。
蛇口をひねれば「あたり前」に出てくる水。その「あたり前」を支えることは、島の生活を支えることにもなります。
海からの玄関口となり、人の乗降や貨物の積み降ろしが安全にできる港湾。食料や衣類など、生活に欠かせない物資を運んでくる船舶などが行き来する港は、私達の生活を支える重要な施設です。
その港湾の横に併設させる「港湾海岸」では、高潮対策と景観の美化が両立できる「緩傾斜護岸」が設けられています。護岸と水辺の間には砂を入れ、面的防護によって波の力を抑えています。それにより、従来よりも低く護岸の高さを設定でき、景観も良くすることができます。
毎日多くの飛行機が行き交う、空の玄関口である空港。何百トンにもなる飛行機の重さに耐えることのできる強度をもった滑走路や、管制塔・ターミナルの位置、駐車場の設計など、多くの時間がかけられて空港はつくられています。
最近の空港建設はとても自然環境保全(赤土流出防止・動植物の保全など)を意識しながら進められています。
離島と本島を繋ぐ離島架橋は、島へ送る物資などの輸送コストを抑えたり、救急患者を本島の病院へ迅速に運べるなど、離島の不便さの解消に役立っています。
子供達の遊び場・集会場・一時避難場所など、公園には様々な目的があります。地域の方達、自治会、利用者の方達から意見を聞きながらつくられる公園は、まるで家をつくっていく感じに似ています。ここに人が座るベンチを置いて、あそこに子供達が遊ぶ遊具を置いて、そこにバスケットコートがあって、トイレを置いて…。
憩いの場や休憩、待ち合わせ、子供達の遊び場として、公園をつくることは、とても地域に密着した事業なのです。
農業農村整備事業とは、食の安全と食料の安定供給を確保するために、農村の農地と水の環境を整備する事業。そしてそれと共に、住みやすい農村をつくるために、農道や排水施設などの整備を行う事業のことです。
例えば、農地と用排水施設の整備を行い、農業生産性の向上と、農家の経営規模拡大をサポートしたり、農道を整備して農業生産性の向上と農産物流通の合理化を図り、農村地域の生活環境を改善します。
かんがい排水事業とは、農業を営む上で欠かせない水を農地に安定供給するための人工的な集水池・給水施設の整備や、雨水を排除するための排水路をつくり、農業生産性を向上させる事業です。
水をくみ上げるのに地区の高台にファームポンドを建設し、自然流下で水を配ったりなど、可能な限り農家に経済的負担などがかからないようにお手伝いするのも、大事なことなのです。
これまで、自然斜面、切土や盛土によりつくられる人工斜面が崩れないよう保護するために、コンクリートを用いた法枠工などが行われてきました。この工法では、斜面上の樹木を全て伐採する必要がありました。
近年では、斜面の安全を確保しながら、樹木を保存する工法が採用される事例が増えています。
ひとつの例として、地面に鉄筋を挿入して、斜面の安全を高める補強土工があります。
ビオトープとは、”生物の生息環境”や”有機的な結びつきのある生物群”を意味します。
自然豊かな沖縄県は多種多様なビオトープで構成されており、それぞれ重要な多面的機能をになっています。しかし、近年の開発行為などによりビオトープは減少傾向にあるため、自然環境の損なわれた場所を自然に近い形に戻し、それによってビオトープを復元させる試みが行われています。
その一つとして河川事業では、人工的に形づくられた河川などの形態をより自然に近い形に戻し、それによって多様な自然の生物を復活させるとともに、本来の自然が持っていた浄化作用を利用する”多自然川づくり工法”によりビオトープとしての価値を向上させる試みも行われています。
アンダーパスとは、道路の下に設置される地下横断通路のこと。
車道で分断されている山岸を道路の下でつなぎ、ヤンバルクイナやイリオモテヤマネコなどの動物が行き来できる通路を確保することで、車道に飛び出す動物の数を抑え、事故(輪禍)を未然に防ぐ目的で設置されています。
実際にアンダーパスを通過する動物達の姿がビデオカメラで記録されています。